北京五輪雑感:シンクロ、新体操、覚え書き
北京五輪、終わりましたけど、書き残しておきたいことがまだあって、
書き始めました。 その一つ、シンクロナイズドスイミング、チーム、フリールーティン、日本の選手の一人が過呼吸のような症状でぐったりしてしまい、ストレッチャーで運ばれましたよね。 あんなの見たことなくてびっくりしましたけど、 その裏に、日本チームが追い詰められていたという実情があることを知りました。 シンクロ界では、アトランタ五輪以降、ロシアと日本が躍進し、 米国とカナダがやや後退したという流れがあったそうで、 そして今回は、スペインと中国がいきなり伸びてきました。 その2チームには、どちらにも、日本の指導者が関わっていたんですね。 中国の井村雅代ヘッドコーチは、過去6度の五輪で日本を指導してきた名コーチ。 コーチの海外流出に反対の声もあがったそうですが、 「メダルを取るためにあなたの経験と勇気が必要だ」と請われ、 「五輪開催国の念願成就に力を貸した」と言います。 中国チームのキャプテン張暁歓は「厳しいけれど優しい」と信頼していたそうですし、 中国の新聞などでも絶賛されているそうで、それはそれで、日本の誇りですね。 で、この記事を書こうと思って、井村コーチのことを調べていて、初めて知ったのですが、デュエット、チームともに銀メダルをとったスペインにも、1996年、アトランタ五輪のときの日本代表メンバーの藤木麻祐子さんが、コーチとして行っていたんですね。 藤木さんはコーチに就任当初には、「練習に何十分も遅刻してくるし、根気のいる練習が苦手」という選手たちの、日本人とは違う気質に戸惑ったと言います。 それが、技術の向上が成績につながるとわかって、選手たちに変化が生まれたそうです。 デュエットの一人、アンドレア・フエンテスは、「(藤木コーチは)禅の精神をもっていて、スペイン気質のわたしたちとバランスがとれている。技術に関して優れているし、必要な存在」と語っています。 よくそこまで、温度差のある人を育てましたよね。 レベルは全然違いますけど、教える立場として、感動です! スペインの銀メダルも、“それだけ日本の技術が優れている”という証でしょうし、 いい指導者もいっぱいいるっていうことですかね。 でも、その“優れている”はずの日本チームはメダルに至らなかった。 日本の金子チームリーダーは、 「井村さんという私の兄弟のようなコーチが行ったことで、逆に危ないというよりは、戦い方の手の内が見えていたので、この戦いに絶対負けてはいけない、頭脳プレーで乗り越えて勝とうと強い決意で乗り込んできました」 「普段はよく寝る私が眠れないくらい考えてやってきました」 「そのひとつひとつの準備に選手たちが乗ってくれて、1日1日力をつけて思い通りの演技を見せてくれました」 「しかし結果的には、逆に、私と同じ思いを井村さんが持っていたのではないかと思います」 「日本の手の内も全部知り尽くして、何をしたら日本に勝てるかというのをよく分かっていたのではないか、一枚上手だったな、コーチ力で負けたかなという気はしております」 とおっしゃってます。 なんか、思うに、選手達も、「絶対に負けてはいけない」という思いだったんじゃないでしょうかねえ。テクニカルを終えて4位で、「絶対に勝つぞ!」じゃなくて、「負けてはいけない!」っていう思いって、きっとすごいプレッシャー、緊張感、なんかちょっと心が暗かったんじゃないかと想像します。 スペインとは逆に、少し、日本には、そんなときに「ま、いいよ!」ってな、 軽さも必要なのかもなあと、思いました。 専門的には、「動きの勢いや同調性を前面に出し、体格や柔軟性で劣る点を補ってきた日本」だったけれど、「芸術性を見せようとして難しいルーティンに取り組ん」で、「切れを出せず」、「本来の良さが影を潜めた」との見方もあるようです。 ふむ、あらためて、日本の演技、4分間泳いだ最後に、15秒も息継ぎなしで足技を魅せるというフィナーレだったんですね。いやはや、大変なことだ! それをよく、泳ぎ切りましたよね。選手一人一人は、ホントに、よくやったっていうことですね。 金子チームリーダーは、任期が切れる来年3月限りで退任する意向を示しているそうで、 でも、「米国やカナダの二の舞」にならないように、「早急にしっかり強化しなければと思っている」とおっしゃってます。 今回のチーム、9人中5人が25歳以上で、世代交代は必至だそうです。 金子リーダーは、「力が落ちないうちに巻き返さないと」と、新たな指導体制や大型選手の育成など、任期切れまでの課題がたくさんあるとおっしゃってます。 まあ、メダルがすべてではないですが、やっぱり、競泳なんかは“メダルもあるかも!”って思うと、ついつい見ちゃいますよね。だからある意味、必要なんでしょうねえ。 それにしても、ロシアはすごい! シンクロもそうですけど、新体操もすごかった。 新体操のほうは、日本は、はっきりいって、まったく世界に及んでいない気がしてしまいましたけれど。 シンクロも新体操も、どちらにしても、技術に裏打ちされた芸術性です。 美しいものはやっぱり美しかった! バレエもそうですけれど、“抜きんでた個人”であればともかく、 チームで、団体で、あそこまで極めるのは至難の業ですねえ。 どこまでいけるか! また、がんばってほしいと思います。
by ririe_ex
| 2008-08-27 03:47
| スポーツ観戦系
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