ケヤキの梢を見上げながら

カテゴリ:Books( 20 )

泣いた~!『旅猫リポート』

佐藤さとるさんからその後を任された有村浩さんの本、
旅猫リポート (講談社青い鳥文庫)

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泣いた~!!!


最初はね、超笑ったの。


ノラネコの、のちに「ナナ」と名付けられるノラネコちゃんが
主人公・さとるくんにカツサンドのカツをもらうシーン、

さとるは、「身体に悪いだろ」などとカツのまわりをはずしてお肉だけをあげるんだけど、

ノラとしては、「そのまわりもお腹にたまるから、別にそのままでいいんだけどな」なんて思ったり、


たいていの人間は、気まぐれで食べ物をくれるけど、
ここのヤツ=さとるくんは、毎日、とりあえず、生きていくのに必要な量を置いておいてくれるとかね、

好き勝手に名前をつけやがって

とかね、


ふふふ、庭にやってくるにゃんたちが、みんな、ウチに対して言ってそうなことを語るので、笑っちゃう。



でも、
あああ、そういうことだったのかあ・・・って、

119ページ以降は、電車読み、要注意!


涙が盛り上がってきて、とてもとても、電車では読めません。


いいお話でした。
またきっと読み返すだろう1冊が、また、できました。
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by ririe_EX | 2016-06-05 23:24 | Books | Comments(0)

本屋大賞 はずさないなあ 『羊と鋼の守』

入院しているときに、テレビで本屋大賞受賞作決定!のニュースを見て、
すぐ、ベッドの上でamazonに注文を入れちゃいました。


『羊と鋼の森』 宮下奈都著 2015/9/11 文藝春秋
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ピアノの調律に魅せられた田舎育ちの男の子が、
調律師としても人としても、成長していく日々を描いている小説なんだけど、

「羊」は、ピアノの弦をたたく羊毛で作られたハンマー、
「鋼」は、その弦。

その音が、森の風景を呼び起こしていくっていうタイトル。


よかったわあ。
本屋大賞、やっぱ、はずさないなあ。
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by ririe_EX | 2016-04-21 23:34 | Books | Comments(0)

村上春樹さん流 外国語対応のコツ

病院の本棚にあった『やがて哀しき外国語』 村上春樹著 から、覚え書き。

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村上春樹さんの本って、
覚えている限り、『ノルウェイの森』と『海辺のカフカ』くらいしか読んだことがない気がするな。

とくに村上春樹さんの書くものを嫌いだと思ったことはないのだけれど、
熱狂的な「ハルキスト」さんたちを見て、なんとなく距離を置いたというか、
いつの間にか読もうと思わなくなっていたような気がする。


この『やがて哀しき外国語』は、1992〜93年に村上春樹さんがニュージャージー州のプリンストンという街に住んでいたときに書いたエッセイ集で、
覚え書きは同名タイトルの一編のなかから。



最近、仕事で、止むを得ず英語でお客様と話をしなくてはならないことがあり、
この一編は、なにかとしみたのだ。



日本人はうまく話せないことを恥ずかしがるから語学が上達しないとよく言われるけど、
文法が違ったり言葉に詰まっても

▷そんなのは外国語なんだからある程度しかたない

と、村上春樹さんは思っていらっしゃるそうで、
そう、この、いい意味での開きなおりは、ほんとに重要だと思う今日この頃。


そして、春樹氏は、

▷ただ僕は思うのだけれど、自分の思っていることを日本語ですらすらと口語的に表現できない人は、外国語をいくら熱心に勉強したところで、その言葉でもやはりうまくは話せないだろう。これはもともとの性格的傾向の問題であって、なおそうと思って簡単になおせるものではない。日本語の歌をうまく歌えない人が、英語で歌ったところで急にうまく歌えないのと同じことだ。

とおっしゃる。


ふふふ、歌と同じかどうかはわからないけど、共通点はあるのかもしれないですね。

語学の問題だけじゃなく、「性格的傾向の問題」っていうのも、
あらためて心に留めたいやね。
得手不得手があるということは、どんなときにも考えないといけないやね。
無理強いはいかんね。


まあ、「日本語でならすらすら話せる」という、
ある意味、はったり的な説得力みたいな(笑)ものは、私、持ち合わせているみたいだから、


だからこそ、
単に「英語が話せる」という人に、私の代わりに相手に伝えてほしいとお願いしても、その人の性格的傾向によっては、相手にうまく伝えられないこともあるわけで、

それよりは、私が、つっかえつっかえでも、必死になって伝えようとしたほうが、伝わったりすることもあったりするんだな。


以下は、春樹氏の「経験から」、
「外国人に外国語で自分の気持ちを正確に伝えるコツ」

(1)自分が何を言いたいのかということをまず自分がはっきりと把握すること。
そしてそのポイントを、なるべく早い機会にまず短い言葉で明確にすること。

(2)自分がきちんと理解しているシンプルな言葉で語ること。
難しい言葉、カッコいい言葉、思わせぶりな言葉は不必要である。

(3)大事な部分はできるだけパラフレーズする(言い換える)こと。
ゆっくりと喋ること。

できれば簡単な比喩を入れる。


うんうん、納得!
これ、忘れないようにしよう!


そして最後に、もひとつ、名言!


▷以上の三点に留意すれば、それほど言葉が流暢じゃなくても、あなたの気持ちは相手に比較的きちんと伝えられるのではないかと思う。しかしこれはそのまま〈文章の書き方〉にもなっているな。


そうね。
文章、大事!

ブログ、全然、更新してなかったけれど、
入院中、ヒマにまかせて書きまくったから、
これを機会に、また少し、日々、忘れたくないことを文章にしていきましょう!

、、、と、、、
思うだけは思いましたとさ!037.gif
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by ririe_EX | 2016-04-13 07:13 | Books | Comments(0)

西加奈子 『サラバ!』

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    西加奈子 『サラバ!』 (上下巻) 2014/10/29 小学館



最近、あまり、こういう小説を読んでいなかった。
なんていうんだ、こういうの、、、 
現代版私小説??? 私小説、、、じゃないのかな?
でも、私小説かと思わせるような小説?(苦笑)



1977年にイランで生まれ、
その後、小学校時代をエジプトで過ごした主人公=歩くんが、
いろいろな経験をして、
順風満帆と思われた生活に挫折が訪れ、

東日本大震災が起こり、エジプトにアラブの春が起こり、

そんな挫折のなか、34歳になった歩くんはエジプトを訪れて、
小学校時代に「言葉が通じないのに心を通わせた」友人=ヤコブくんに会って、
「出会った時間、出会った人、出会ったもののすべて」を
「言葉」として書き残したいと切望し
そして、この小説ができあがった。
・・・・という作り。


著者の西加奈子さんも、テヘランで生まれ、カイロに渡り、大阪で暮らし
年齢も主人公の歩くんと同い年。
でも、どこかのインタビューで、「自分のことではない」と答えていらしたと思った。


ともあれ、
最終的には、心に残る小説でした。




そうそう、
この本を読んでいるとき、何度か、

>>> ああ、又吉直樹さんは、こういう小説を書きたかったのかあ

って、思ったんだった。


だからもう一度 『火花』 も読み直してみたけど、
やっぱ、申し訳ないけど、 『火花』 のよさは、いまいちよくわからない。

つまり、なんだね、

主人公の心の動きや日常や背景や言葉などなどなど、
『火花』 には、私が、こう、賛同できる感じがなさすぎるんだな、きっと。

歴史小説なんかも、
少しずつ、既知の史実が増えてくると、いろいろつながっておもしろくなるから、

うん、そうだね。
きっと、そういう背景が分かる人にはおもしろいのかもしれないね、『火花』 も。




で、
『サラバ!』



この小説が、『火花』 と違って「心に残る」と思えた背景には、
まったく違うんだけど、どこか似ている、
なにか、自分の経験と重ね合わせられる、 「なにか」  があったような気がする。


主人公・歩くんのお姉さんの貴子ちゃんは、
こどもの頃から 「信じるもの」 を求めて生きてきた人で、
それが奇行につながって、「迷惑な人」になってしまうんだけど、

そういう「迷惑」を怖れる歩くんは、逆に、
常に積極的な関わりを避ける「受け身な人」になってしまう。


きっと、その「どちらも」が、私のなかにあるんだと思う。


私の母はクリスチャンで、いつも神様を信じてきたけれど、
私は、結局、そういうクリスチャンにはならず、
でもそんな人を見て育ったから、ある意味、私のなかにも「神様」はいて、


そんなところが、お姉さんの貴子ちゃんの言う、

>>> 今まで私が信じてきたものは、私がいたから信じたの <<<
>>> 私の中に、それはあるの <<<
>>> 『神様』という言葉は乱暴だし、言い当てていない <<<
>>> でも私の中に、それはいるのよ。私が私であるかぎり <<<

っていうあたりに共感できる感じがするんだと思う。


一方、小学校時代に、給食が食べきれなくて吐いちゃって登校拒否になったり、
バレエなんていうものをやっていたおかげで、「出る杭」になっちゃったりした経験からすごく「まわりの目」を気にして生きてきてしまった「私」もいて、
同じではないけど、歩くんの「受け身」処世術も、さもありなんと思うところはあって、


そんな歩くんに貴子ちゃんが言う

>>> 他の誰かと比べてはだめ。あなたはあなたでしかない <<<
>>> 信じるものを見つけなさい。あなただけが信じられるものを <<<
>>> あなたが信じるものを誰かに決めさせてはいけないわ <<<

なんていう言葉は、とっても、滲みた。


信じるものが自分のなかにあれば、それが自分の「芯」になる。
一般的な「宗教」じゃないけど、
「宗教」という言葉を、「その人が信じるもの」と考えれば、
政治でもスポーツでも、信じ切っていたら、やっぱ、宗教なんだよね。


そういうの、すごくわかる。


>>> あなたが信じるものを誰かに決めさせてはいけないわ <<<


うん、これ、いい言葉。
私が信じるものがなんなのか、言葉にはできないけど、
自分が見たり読んだり調べたり、自分で知ったことを信じたいと思う。


私は私。


そういう境地に至ったのはつい最近だなあ。
やっぱ、すごいな、西加奈子さん。
37歳でその境地に触れてるんだもんね。
もう何冊か、読んでみたいと思いました。
とさ。
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by ririe_EX | 2015-10-05 22:13 | Books | Comments(0)

『約束の海』 第三部が読みたいねえ

一昨日、書こうと思いながら寝てしまったんだけど、
ちょうど、さっき(昨日)、TBSの「戦後70年番組」を見たので、
このことも、やっぱ、書いておこうと思った。


山崎豊子さんの遺作『約束の海』を読んだという記録。

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昭和16年の真珠湾攻撃の際に捕虜となり戦後波乱の人生を歩んだ人物を通して、「戦争という悲劇を二度と起こしてはいけないという気持ちのもと(あとがきより)」書かれたこの小説、


完成した「第一部」を読み終えて、この続きが読めないって
なんて残念なことだろうと思ったら、

巻末に、「続き」が載っていて感動した。


山崎豊子さんは、執筆前に大まかな構想を完成させ、修正しながら書き進めるのが常だったそうで、今回も結末までを構想したあらすじが残されていて、それを秘書の方が清書したメモをもとに編集部で注釈を挿入しながらまとめたあらすじが、21ページにわたって掲載されていたのです。


あらすじだけでも、この物語の壮大さがわかって、感動したけど、
山崎さんのほんとうに書きたかったことは、第二部・第三部にあったのかなあって、
ああ、やっぱり、完成形を読みたかったな。残念。


とくに、
「東シナ海における戦争の火種となりかねない事態を想定し、武力ではなく、先の戦争の犠牲者が今も眠っている海を鎮魂の海として静かに守ることが出来るかを、作者は模索していたが、その答えは未だ見つかっていなかった。当時の防衛庁、海自関係者、現地漁業関係者など多数の方に面談したが、小説として構成するには、かなりの困難がありそうに思え、今後も鋭意、取材を重ねるつもりでいた」
という第三部は、
私が読みたかっただけではなく、
いまのこの世に、著していただきたかったですねえ。


ともあれ、
やっぱ、戦争をする国にはなっちゃいけないよ、日本は!
武器の輸出も、しちゃいけないよ、日本は!
山崎豊子さん、生き返ってきて!!!(苦笑)
Rest in peace・・・
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by ririe_EX | 2015-03-10 00:51 | Books | Comments(0)

みんな読んで!『日本の「運命」について語ろう』

浅田次郎さんの『日本の「運命」について語ろう』、いい本です!

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私自身、日本史って、若い頃、おもしろくなかったんだけど、
おもしろかろうがつまらなかろうが、
「自分の国の歴史を知らない」って、「なんで?」って、
もう30年前、外国人に聞かれて「はっ!」としたことがあったんだ。

20代の後半、何ヶ月かオーストラリアに行っていたとき、
ブリスベンから近いモートンアイランドっていう島のまわりに沈没船があって
その沈没船は、あとから知ったことだけど、
わざと、波をおだやかにするために置かれた物だったんだけど、

そのときはそんなこととはつゆ知らず、
モートンアイランドのユースホステルでの夜、そこに集まってた人たちに、
「あれってなにか戦争の時の沈没船?」
って、聞いちゃったんだ。


そこから、自分の無知に、自分が驚いた。


外国人A 「その戦争って、第二次世界大戦?」
私 「わからないけど、なにか、戦争の跡なのかなって?」
外国人B 「第二次世界大戦のとき、日本はオーストラリアまで来たの?」
私 「?????」
外国人C 「日本はオーストラリアの味方でしょ?」
外国人A 「敵だったんじゃないの?」
私 「?????」
外国人ABC 「知らないの?」
私 「・・・・・」


自分の国の歴史を、こんなにも、私はなにも知らないんだなって、
ほんとにそのとき、驚いて、
英語がよくわからないから答えられないような(実際そういう面もあったから・・・)そういう感じで、話題は別のことに移っていったんだけど、


たぶん、そのとき、もう20代の後半にもなって、初めて、
自分の国の歴史を知らない「不思議」に、私は、気づいたのでした。


事実としては、
日本とオーストラリアは、第一次世界大戦のときには、ともに「連合国」として参戦し、日本の軍艦がオーストラリアの軍隊を護衛したりもしていたそうで、

それが、第二次世界大戦のときには敵国となり、
1942年、シンガポールの英国軍基地を攻略した日本は、多くのオーストラリア人を捕虜にして収容所に入れ、その収容所での捕虜の扱いはひどくて、多くのオーストラリア人が亡くなったそうです。

さらに、オーストラリアへの空襲や潜水艦による攻撃も行って、
医療船が撃沈されるなどの事件もあったんだそうです。


そんなこと、なにも知らないまま、オーストラリアに行ってしまった。
みんな親切だったけど、日本人に対して憎しみを持つ人だっていたわけで、
そういうことを、なにも知らないって、あまりにも無知だった自分に、
ほんと、驚きました、あのときは。


どうしてそんなにも自分が無知なのかを考えたとき、
小学校・中学校・高校を通して、「日本史」で、そういう近世・近代・現代の歴史を、習っていないんだよなあって、思った。


「日本史」の授業は、縄文時代だ弥生時代っていう昔の話から始まって、
江戸時代か、せいぜい明治維新くらいで時間切れになっちゃって、
「あとは教科書を読んでおくように!」みたいな感じで終わっちゃってた。


浅田次郎さんは、そのことについて、理由は2つあると書いていらっしゃる。


「ひとつは説明しにくい歴史であるということ。もうひとつは大学入試での出題頻度が低いということですね。そんな理由で、日本の近代史は途中で終わってしまう。しかしこれはとんでもないエラーでした。
 もっとよくないのは、今、高校で日本史は選択科目です。これはどういうことでしょうか。自分が生まれて育った国の歴史を勉強しなくていい、知らなくていいなど、世界中どの国を見渡しても、ただの一国もないはずです。
 自国の歴史を教えないのは恐ろしいことです」


はい、ほんとうに、そう、思います。
私も、もう30年以上前のことですが、高校で、日本史を選択しませんでした。
だからなおさら、無知だったのです。
20代後半になって初めて、その無知に、気づいたのです。


そんな、歴史を知ることの大切さを、いろいろな角度から「話して」くれているのが、この本です。


いくつかのテーマにそって全国各地で行われた講演を、活字化したのだそうです。


読みやすくておもしろいけど、すっごく大切なことが書いてある。
ほんとにほんとに、大勢の方に、読んでいただきたいです。



日本の「アメリカ化」は第二次世界大戦の敗戦によってもたらされたものではなく
「黒船」によってアメリカを「最恵国待遇」の外国にしたことから始まっているというのも、興味深い指摘でした。
日本は、江戸後期から、明治・大正を通じて、アメリカの影響を受けてきたのですね。

当時、なぜ、近くのロシアがアメリカに遅れをとったのかというと、
ロシアはそのときクリミア戦争の真っ最中で、極東どころではなかったのだそうです。
世界史も、日本史も、こう考えると、つながっている。
あはは、あたりまえのことですけど、なんか、「授業」ではつながらなかった。
歴史教育のありかたを、考え直していただきたいですね。


あと、すっごく印象に残ったこと、1つ、覚え書き。


日本が、アメリカ化してくるなかで、捨ててしまった大事なものが、
中国にあるということ。

「孝」の精神。

とにかくお年寄りを大事にしようという精神が中国には行き届いていて、
いろいろな政策がかわっても、この精神はいまに受け継がれているという話。

日本にもかつては中国と同様に「孝」の精神があったけど、
第二次世界大戦後、アメリカの影響が強すぎて、その精神が失われた。
アメリカは、パワーが美徳とされる社会だから、パワーが衰える「老い」が嫌われる、「老い」に対する否定的価値観が根底にある。
子供は独立して「家」単位ではなく「夫婦」単位で構成されるから、夫婦の一方が欠けたときには、一人の孤独な老後を迎える。
いま、まさに、日本も、こういう段階に入ってきてますよねえ。


自分自身、アメリカ化されたなかで育ってきて、
実際、いま、夫婦、二人で住んでいて、どちらかが先に逝けば一人になる。
そういう、一人を、「孝」の精神で支えられたら、高齢社会のいくつかの問題は解決しそうです。


多くの方に、ぜひぜひ読んでいただきたい1冊です!!!
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by ririe_EX | 2015-03-01 00:07 | Books | Comments(0)

「柘榴坂」に続き、「蜩」も映画になるんだ・・・

少し前に読んだ、浅田次郎さんの短編集「五郎治殿御始末」 (新潮文庫)
に入っていた「柘榴坂の仇討」が映画になったということで、見たいなと思っていたら、

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これまた、少し前に読んだ「蜩ノ記」も、
映画になるのね。

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どちらも、「すごく衝撃を受けた」という作品ではなかったけど、
かたや中井貴一くん、かたや岡田准一くんが演じると思うと、観てみたい。


覚え書き!
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by ririe_EX | 2014-09-29 01:28 | Books | Comments(0)

日本海軍の礎を築いた男、矢田堀鴻 『群青』

『群青―日本海軍の礎を築いた男』 (文藝春秋 <2008/05> 植松三十里著)を読みました。


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帯には「勝海舟のライバルだった男」とのキャッチ。
幕末から明治の初め、日本の開国、明治維新の頃、
オランダから蒸気船を買って、操船や算術を学んで、
諸外国から「日本を守るため」に、幕府の海軍を作った人なのだそうだ。


主人公=日本の海軍の礎を築いた 矢田堀鴻・・・


私は、まったく知りませんでした。


まあ、勝海舟さえ、
もちろん名前は知っているけど、
このあたりの日本史って、小・中・高校を通して、さらっっ!としか習わなかった。
歴史のお勉強は縄文時代から始めないで、
近年のことから勉強して、遡ったほうがいいんじゃないかしらね。


この時代のいろいろなお話、
『壬生義子伝』に始まって、ここ数年、少しずつ、知ってきたけど、
半世紀生きてようやく知ることがたくさんあって、なんともお恥ずかしい。
これからの日本に生きる若い人たちには、近年~現代の歴史を、
知ったうえで歳を重ねて欲しいわ。


こういう本を、若い頃にたくさん読んで、読書感想文でも、書いたらいいわ。


いやあ、ほんと、こういう本を書く方々は、ほんと、すごいな。
心に残る言葉がたくさんありました。





主人公・矢田堀鴻(子どもの頃の名前は荒井敏)は、昌平黌の最初の講義で、
「青は藍より出でて藍より青し」(=「出藍の誉れ」)について、

多くの生徒が、
「師を越えるほど弟子が優秀であること」
という解釈をするなか、

「自分を越える弟子を育てた師こそ誉れなのではないか」
と、
まわりとは違う解釈をするのです。


そして、講師であった岩瀬先生は、
「確かに師の役目は、優秀な弟子を育てることだ。自分を越えられる人物を育ててこそ、師の面目躍如ということだろう」
と、矢田堀の解釈を認める。


このときの話から、「群青」という、この本のタイトルが生まれるのです。
これまたすばらしいんだけど、あとで書く!



ちなみに、この岩瀬先生は、岩瀬忠震(ただなり)。

「黒船」のアメリカ公使=タウンゼント・ハリスとの「日米通商条約締結」という大役を果たしながら、「安政の大獄」によって永蟄居に処され、蟄居中に、「ねずみに噛まれたところが化膿して死んでしまう」という不遇の死を遂げるんだけど、
その遺言が、また、すばらしいんだ。


ねずみに噛まれて死んだなどという、武士としては情けない死に様を、家族は隠しておきたかったけれど、
「どうせ死ぬのなら、御公儀に対する批判を一身に背負ってあの世に行きたい」
「自分が嘲笑されて、それでこの国の泰平が続くならかまわぬ」
と、
それが、岩瀬先生の遺言だったんだそうだ。


「たとえ人と違っていても、かまわない」
「(自分で考えて)武士らしい生き方だと確信を持てるならそれでよい」
と。

自分の名誉より、日本の泰平を願うことこそが、「武士らしい生き方」だと、
岩瀬先生が、確信を持っていたということなのですね。


岩瀬忠震・・・
このお名前も、知りませんでした。
すばらしい「先生」だ。




「出藍の誉れ」は、
「青は藍より出でて藍より青し」のあとに、
「氷は水これを成して、しかも水より寒し」と続くのだそうで、

ほんとうの解釈は、
「人は努力しだいで、持って生まれた資質よりも、優れたものに変わりうるというたとえだ」
と、これも岩瀬先生の言葉。

知らなかった。

っていうより、「出藍の誉れ」の解釈についてなんて、深く考えたこと、なかったな。
言葉って、深い!



さて、
主人公・矢田堀鴻も、

鎖国からの開国にあたって、

日本は内戦をしている場合ではないと、

「徳川の海軍」を興しながらも、、
「日本」という国が、諸藩がひとつになって国力を上げていくべきなのだと、
大きな志を持っていた人だったんだけど、

最後の将軍、慶喜に翻弄されて、
戦いを避けたがために、「逃げた海軍総裁」という汚名を着せられて後半生を生きることになります。


その、生涯を閉じる数日前に、甥の郁之助が訪ねてきて、杯を重ねるのね。
そのときの会話。


郁之助
「日本の海軍をおこし、海事総裁までつとめた叔父上の名が、このまま歴史に残らないではありませんか、私にはそれが残念で」

矢田堀
「歴史に名を残すのは、戦争をした者ばかりだ。信長公しかり、家康公しかり。戦争に反対した者は、反対しながらも戦争を止められなかったのだから、評価はされない。戦争に反対した者は、歴史に名を刻むことはないのだ。私は歴史に名を残さないことを、むしろ誇りに思う」


う~!!!
かっこいい!!!
なるほど、ほんとに、誇りに思っていただいて、いいよね。



作者の植松三十里さんは、
「戦いを止めようとした人、悪役にされた人、評価の低い人」に視線を向けたいのだと言う。



おもしろいな。
この方の書いたもの、もっと読んでみようっと!




で、さっきの続き。
郁之助との会話。


矢田堀
「自分が藍だということも、誇りに思っている。俺が育てて世に送り出した青は大勢いる」


矢田堀鴻は、昌平黌、甲府徽典館(キテンカン:甲府勤番士の子弟のための昌平黌の分校だそうだ)、長崎海軍伝習所、軍艦操練所、沼津兵学校、静岡学問所と、多くの場所で多くの若者を育ててきたわけで、大勢の「青」がいるわけだ。


そして
郁之助
「叔父上が育てた者たちは、いわば群青ですね」



う~ん。
群青かあ。


こどもの頃、色鉛筆の「ぐんじょういろ」、濃紺ぐらいのイメージしかなかったけど、
いま、はっきり、「ぐんじょういろ」が見えてきた気がする。


こういう「歴史時代小説」っていうもの、
史実に則っている部分と、作者が作った部分と、
とくにセリフには、いろいろ、入り交じっているんだろうけれど、
素晴らしいタイトルメイクだね、「群青」。
感動しました!




あ、
帯裏の言葉にも、クローズアップしておきます。


<俺たちは日本を守るために海軍をおこしたんだ>

<戦争をしかけるための道具じゃないんだ>




いま一度、噛みしめたいですね。


素晴らしい1冊でした!
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by ririe_EX | 2014-08-21 02:50 | Books | Comments(0)

『路(ルウ)』 吉田修一 台湾の物語

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          『路(ルウ)』 吉田修一 文藝春秋 (2012/11/21)


会社の読書仲間から回ってきた本、
吉田修一さんという人の本は、たぶん、初めて読んだ。


台湾に初めて走る新幹線の建設を軸に、
その事業部に所属して、台湾に住むことになった若い女性・多田春香、
春香が学生時代に台湾で出会った若い男性・劉人豪、
台湾生まれで戦争が終わって日本に引き揚げた老人・葉山勝一郎、
台湾の若者・陳威志、
それぞれに関わる日本と台湾の多くの人々、
物語の初めにはばらばらだったそれぞれの人生が絡み合って、淡々と、描かれていく。
だんだんと登場人物一人ひとりの生活が気になるようになって、気づいたら読み終わっちゃった。
続きが読みたくなった。


台湾のことって、なにも知らなかったな~。
またこれを機会に、台湾関連の本も読んでみます。


いろいろな知らない本を読めて、「回し読み」に大感謝。
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by ririe_EX | 2014-05-18 10:53 | Books | Comments(0)

浅田次郎さんの『民子』はマルハのCM本だったのね

この間、これ、読みたいって書いてた、浅田次郎さんの『民子』、
お友達が「図書館にあるよ~」って教えてくれたので、
会社の近くの図書館に行って、借りてきました!

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定価は1,500円だった。
絶版になると、あんな価格が、ついちゃうのね。



・・・と、

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あら、これ、マルハのペットフードのコマーシャル本だったのね!





創立十周年記念に「小説家が原作を書いたCMを作りたい」と、
浅田次郎さんに依頼をしたんだそうだ。
「書き下ろしCM」なのね。

浅田さんは依頼を受けて、3題の、猫にまつわるショートストーリーを書き下ろされたそうで、
そのなかからこの『民子』がCM化されたんだそうです。
あとの2題、『ポスト』と『キャラとトモコ』も、本には収録されてます。



猫好きの浅田次郎さん、この本の「あとがき」ふうに、
「私は猫である」っていう文章を書いていらっしゃる。



 私は猫である。
 シャレではない。漱石は人間だから、猫の目から見た風刺小説を書いたのだが、私は猫なのでそういうことは思いもつかない。
 むろん外見は人間に似ている。人間の言葉は自在に操るし、知能もさほど劣ってはいない。だから私を知る人はみな、私を人間だと信じて疑わない。
 しかし私は猫なのである。ふつうの猫よりもいくらか器用なので、小説を書いたり馬券を買ったりする。葱を食っても中毒を起こさず、ときどき人間の女と恋に落ちたり、お上を欺いて運転免許証の更新をしたりする。
 当然、メンタリティは完全なる猫である。人間に阿らず、協調性はてんでなく、弱い者いじめをよくし、何をするにもてめえ勝手である。オヤジのくせに妙にきれい好きで、暇さえあれば身繕いをし、デブのくせにすばしこい。周囲の心配などお構いなしにしばしば所在不明となるが、やがて何事もなかったようにひょっこり帰ってきて飯を食う。
 好みは断然魚肉である。魚と見れば骨も頭も余すところなく食い尽くし、ときには吐くまで食う。
 いつでもどこでも寝る。そのくせ寝起きはきわめて良い。
 ことに人間が怖がるくらいの高い場所に行くと、かえって身の安全を感じて気持ちが落ち着く。たとえば遊園地の大観覧車などには、飽きもせず何周も乗る。
 こういう私が人間であろうはずはないのである。だから只今同居中の九匹の猫たちとは、実に仲良くやっている。彼らだけはけっして私を人間だなどとは誤解せず、同種同類の猫として付き合ってくれる。
 猫として幸福な日々である。唯一の身の不幸は、私ばかりがすこぶる長命なので、多くの仲間たちを送らねばならないといいう免れえぬ宿命だけであろう。
 誰が何と言おうと、私は猫である。




さすが、猫のことがよくわかっていらっしゃる。


ふふふ、いま、人間だと思ってつきあっている人のなかに、
ほんとは犬だったり猫だったりする人が、いたりしてね。


私は・・・
ま、きっと、人間だな~(笑)
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by ririe_ex | 2013-11-09 23:23 | Books | Comments(0)



すぐ忘れちゃうから、忘れたくないことを、書きとめておこうかと思って… (^^ゞ
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